ヨーロッパで暮らす

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お話

みなさん、こんにちは。

さあ、今日は昨日のリュクサンブール公園での、不思議な体験談の続きです。

どうぞ、最後までお付き合いください。

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10分ほどして、その人は戻ってくると、礼を述べ、「少し、話をする時間はありませんか?」と、尋ねてきました。

先程は気づきませんでしたが、彼は昔の宮廷で着るような服を着て、フランス人男性には珍しく、当時の人のような長めの髪型をしていました。

彼は詩人で、インスピレーションを得るために、こうして時々リュクサンブール公園に来るのだということでした。

そして、他に、どうやって自分がインスピレーションを得るかを、色々と教えてくれました。

元はと言えば、芸術関連の興味がきっかけでフランス語を始めた私には、「なるほど。」と思えることばかりでした。

彼は、「これがわかるとは、あなたはひょっとして、芸術家ですか?」というので、全然ちがう、と答えましたが、「あなたには、芸術的センスがある。今住んでいるところはダメだ。絶対にパリに住まないと、もったいない。あなたは絶対にパリに戻ってくる!そして、芸術で大成功する!」と、占い師のようなことを言われました。

「えっ?」と思うような話も、中にはありましたが、芸術家がインスピレーションを得ることは、簡単ではないことはわかっていたので、「わかります。」と言うと、「わかってくれるんですか?こんな話をして、理解してくれる人は、そうそういない!連絡先を教えてください!」と言うのです。

ちょっと、怖くなった私は、本当に電車の時間が迫ってきていたので、それを告げると、「最後に、どうしてもあなたに見せたい物がある。是非ついて来てほしい。」と頼むのです。

一瞬、私は躊躇しましたが、こんなに大勢人がいるところで、リスクはないだろうと思い、5分だけ、という約束でついて行きました。

初めてで、あまりリュクサンブール公園を知らない私は、少し先を行く詩人の後を、木の生い茂った小道を歩きながら不安になってきました。

いっそ、このまま元来た道を戻って、逃げ帰ってしまおうか、と思ったその時、「ここです!」という彼の声が。気が付くと、詩人の姿はありません。

きょろきょろとあたりを見回す私の前に、「びっくりしたでしょう?」といたずらっぽく笑う詩人が、茂みから顔を出しました。そして、私を手招きして、そこが彼の隠れ場所だと教えてくれたのです。

「こうやって、ここにいると、行き交う人はこちらから見えるのに、だれも私に気づかない。こうやって、私は人を観察したり、人々の会話に耳を傾けたりするんだ。」と目を閉じて、天を仰ぎました。

一瞬、私は異次元空間に迷い込んだような気がして、めまいをおぼえました。

「時間がないので・・・。」と告げると、彼は大きくうなずき、「私はここにしばらく残ります。どうぞ、行ってください。あなたは、絶対に、パリに戻ってきますよ。旅行じゃなくてね。芸術を仕事にしなさい。絶対成功しますよ!」と、また、お告げのように言いました。

果たして、数年後、私はパリに引っ越すこととなりました。

その後、リュクサンブール公園を何度も訪れましたが、あの詩人に出会うことはありませんでした。

どこへ行ってしまったんでしょうか?彼の隠れていた茂みは、短く刈り込まれ、もう彼が姿を隠すことはできなくなっているからでしょうか。

それとも、あの日の午後、私は夢を見ていたのでしょうか?


あなたも、リュクサンブール公園を訪れることがあったら、この詩人を探してみてください。

ひょっとすると彼は、別の場所から、あなたを見ているかもしれません。


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こんにちは。

みなさんはパリの、リュクサンブール公園を知っていますか?

今日は、その公園で体験した、ちょっと不思議なお話を、お送りします。


リュクサンブール公園ってどんな場所?
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Jardin du Luxembourg(リュクサンブール庭園)は、日本語では、「リュクサンブール公園」として知られています。

パリの中心部の6区、パンテオンやソルボンヌ大学に近い、いわゆる「カルチエ・ラタン」にあります。

フランス元老院の庭ですが、一般に公開されていて、誰でも入ることができます。

マリー・ドゥ・メディシスの命で作られた、この美しい庭園は、庭園としてはチュールリーに次ぐ、パリ市内最大級の広さを誇ります。

パリ中心部にも関わらず、広大な敷地内には、様々な彫像や、噴水や泉、エキゾチックな植物のある温室(日頃は一般公開されていない)があり、ヴォジラー通りにはリュクサンブール美術館など、実に様々な風景が楽しめます。

中央には池があり、夏には、船を浮かべて遊ぶ子供の姿も。

そここに、ベンチや金属製の椅子があり、みんなが思い思いにくつろぐ、市民の憩いの場です。

また、庭園は二つの様式から成っています。華やかな「フランス式」の庭園部分とは反対に、「イギリス式」庭園部分は、木が茂り、テニスコートや子供用の遊び場があります。夏には、ポニーにも乗れます。

こちらには、養蜂場もあり、「魔法の薬」の項にも書いたように、蜂たちは、庭園内のふんだんにある花の蜜を集めます。

パリに住んでいたころは、「私の庭」と呼ぶほど、よく通う場所でした。

落ち込んだ時も、疲れた時も、いつもこの公園は、私に居場所と安らぎを与えてくれました。

そんな、リュクサンブール公園で、不思議な体験をしました。
その時のお話をしたいと思います。


リュクサンブール公園の詩人

これは、今から20年ほど前の出来事です。

当時、まだパリに住んでいなかった私は、帰りの電車までの時間をつぶすために、リュクサンブール公園へ、初めてやってきました。

中央の池のほとりで休んでいると、不意に声をかけられました。

見知らぬ人でしたが、丁寧な口調で、「もし、よろしければ、数分の間、自分の自転車を見ていてもらえませんか。」と頼んできたので、心よく了承しました。

10分ほどして、その人は戻ってくると、礼を述べ、「少し、話をする時間はありませんか?」と、尋ねてきました・・・。


今日は、この辺で。続きは、また明日。
お楽しみに!

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