ヨーロッパで暮らす

ヨーロッパで暮らしているmimiが、フランスとドイツを中心に、ヨーロッパでの生活、年中行事やニュースなどをお届けします。

ヨーロッパをもっと知りたい方に。

今までとちがう、ヨーロッパ式ライフスタイル提案。

2019年04月

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全ては夢の彼方へと消え去り、日常が戻ってきました。

10度をわずかに超える肌寒さと降り続く雨に、やっぱり気分は落ち込み気味。

しまった冬物をまた引っ張り出して着込みます。

突然降る雹に、つい出かけることが億劫になってしまいます。

それでもグレーの空のもと、見える景色には鮮やかな色が。あきらかに冬の間のモノトーンの世界とは違う植物たち。確実に季節は移り変わっています。

この憂鬱な雨も、植物にとっては恵みの雨。

柔らかい地面から虫を引っ張り出すクロウタドリは、ひょっとするとヒナたちにエサを運んでいるのでしょうか?

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お向かいのベランダに巣を作ったカササギたちは、ますます熱心にエサ取りをしています。時々来るカラスを追い払ったりしているのを「巣を守るのは大変なんだね~。」と子供と窓の外を眺めたり。

鉛色の空をバックに藤の花に足を止め、新芽の美しさに感動したり。

たまに姿を現す太陽の光に「あれ、もうこんな時間?」と日が伸びたことを感じたり。

日本の刺激の多い生活と比べて、ただただ静かな生活がまた戻ってきて、ほっとすると同時にちょっと寂しさを感じます。

それでも、子供と日々生活していくには悪くはないかな?と、復活祭の休暇明けで久しぶりに登校する子供の背中を見つめながらそう思いました。

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なんだか新しい季節の幕開けのようです。

ちょうど平成が終わり令和となることも、私たちにとっても新たな幕開けとなるのでしょうか?

少し早いゴールデンウイーク明けのような気分で、日常業務に取り掛かります。

ブログの更新もまた頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします。

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あっという間だった日本の旅も終わりを迎え、ようやくヨーロッパに戻ってきました。

こちらでは夏日を迎えた夕方、長旅と暑さと重い荷物と時差ボケのせいでフラフラになりながらの帰国。

久しぶりに見たヨーロッパは、全てが日本と違っていました。

人々の装いはもう真夏のそれで、確かに平均気温を考えると当然なのですが、厚着をしている自分たちをみんなヘンな目で見ていました。

疲れた頭でぼーっと行き交う人々を見ていて、なんだかパワーをもらえる気がしました。

日本にいた時は、いつもパワーを吸い取られるような気がしていて、ぐったりしていたのですが、ここヨーロッパでは疲れているにも関わらず、不思議と力が湧いてきました。

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やっと帰宅して、アプローチに足を踏み入れた瞬間、日本と違う乾燥した空気に響くクロウタドリのさえずりと、ライラックの香りにめまいがしました。

急に目の前の空間がフラッシュバックのイメージで埋まり、ありとあらゆる感情が交錯し、立っているのがやっとでした。

全てが夢のようで、様々なイメージが頭をよぎり、今までの思い出が走馬灯のように駆け巡りました。

自分が見ている物が夢なのか現実なのかもわからなくなり、自分が見ているのか、それとも誰かが見ているのか、映像が映画の中のカメラワークのように渦を巻きながら上へと移動するような気がしました。

疲れた頭がそうさせるのか、音と香りのコンビネーションがそうさせるのか・・・。


ああ、帰ってきた。

ぼんやりと、やっぱり自分の住む場所は日本ではない、という寂しさを感じながら、重いスーツケースを運びました。


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久米島の旅も終わりを迎えました。
この島は他の観光地として有名な離島のような華やかさはありません。
日本人でも「久米島?それどこ?」と知らない人はたくさんいます。
ちょっと寂しい気持ちでそれを聞く半面、観光地化されていないからこそ守られてきた自然があるのだとほっとしたりもするのです。

ハテの浜を見下ろす宇江城城跡で見渡した360度の海、ウミガメの産卵に思いを馳せたイーフビーチやアーラ浜、どこも私たちだけで、他の観光客はあまり見かけませんでした。

もちろん、行った時期が日本のゴールデンウイークなどではなかったせいもありますが、他の離島との違いは歴然でした。

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距離感や自分の意見を伝えるなどと言った点では、ヨーロッパで暮らしている私たちにも全く違和感がなく、「内地」よりもよっぽどヨーロッパ人の気質に近いものを感じました。

また、行く先々では、それぞれの貴重なお話を聞かせて頂くことができただけでなく、フランス語やドイツ語でのあいさつなど私たちに興味をもって接してくださり、島の人たちの心遣いを感じました。

こんな離れたところなのに、なんだか自分の居場所を見つけられたような、不思議な気持ちでした。

ただ、この島の美しさもこのままではいつかなくなってしまう、そう思わせられることがありました。
それは、海洋汚染です。
海岸線は足の踏み場もないほど漂着物で埋まり、美しいその先の海とコントラストをなしていました。

ミーフガーで出会った、外国人観光客を案内していたタクシーの運転手さんが吐き捨てるように言った「外国からのゴミばっかりだよ!昔はこんなじゃなかったのに!」という言葉が、この島を守ることは、日本だけの問題でないことを物語っています。

島のどこの海岸へ行っても日本のゴミより多い外国語の書いてあるゴミ・・・。
もはや、島の人たちだけではどうしようもできないぐらいの規模のゴミ問題は、地元の人々だけでなく、県、国、周辺国が一丸となって対応していかないとならないと思います。

島の一番の財産である自然を守って、後世に残す。
部外者の私が心配しなくても、島の人たちはもうすでに活動を始めているのです。
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重要文化財に指定されている上江洲家を訪れた際、琉球士族の末裔であろうおばあちゃんが別れ際に言ったように、私の子供が家族と将来久米島にやってくることがあるかもしれません。

その時までこの美しい島が守られているかどうか、私が見届けることはできないかもしれませんが、後世に残したいという思いは伝わったと思います。

今回の旅は、私にとって新たな発見となりました。
日本でもヨーロッパ式に様々な体験をする旅ができる場所がある。
思いがけず、今回の旅ではまさにヨーロッパ流に楽しむことができました。

リッチなリゾートでゆっくりする旅もいいけれど、人との出会いを大切に様々な体験の旅ができたことは、親子共に貴重な時間となりました。

「泣きたくなったら久米島へ来たらいいさぁ~」というキャッチフレーズがぴったりの、心のふるさとのような久米島。

心に残る旅をしたい、そんなときは、是非、久米島へ行ってみてください。

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久米島には、天然記念物に指定されている「クメジマボタル」という固有種のホタルがいます。
水の清らかな久米島は、クメジマボタル以外にも複数の種のホタルが生息し、島内のあちこちで見かけることができます。

今日は、そのホタルを守るために作られた「久米島ホタル館」とそこでうかがった話について書きたいと思います。

久米島ホタル館

このホタル館は、久米島のホタルの保護観察施設として、2000年に専門家を招いて開設されました。
当初はホタルを守るために作られたこの施設は、現在島のトータル的な自然保護とその学習のための「ネイチャービジターセンター」としても活用されています。
お年寄りたちから昔のホタル採りの話を聞く場を作ったり、ホタルに関するすべての生態系の動物たちの展示があったり、子供達が自然についてトータル的に学べるような工夫がされています。
また、敷地内には自然の川の流れを少し変えたビオトープがあり、様々な生き物たちの生態系が見られるようになっています。


クメジマボタル
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4月から飛び始めるクメジマボタルは島内のホタルの中では一番手です。寿命は短く、成虫は1~2週間ほどしか生きられません。
クメジマボタルの特徴は、集団同時明滅と呼ばれる一斉に光りながら行動することにあります。

ホタルの見学は、ガイド付きツアーがおススメです。
というのも、ホタルが出てくる時期は、島のハブが活発に活動する時期でもあり、夜行性のハブはまさにホタルの活動の時間帯とピッタリ重なるのです。

不用意にサトウキビ畑や湿地に足を踏み入れることは避けたほうがよいでしょう。


環境学習プログラム
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実は、ホタルの会の事務局長さんにうかがったお話では、地元の人たちの中には、かなりこのホタル館の建設と活動に反対された方もいたようです。
また、ビオトープの生態系が確定するまでの間、大量の蚊が発生したりして地元の人々から閉館に追い込まれそうになったこともあったとか。
それでも、地道な活動と子供たちへの教育プログラムの成功により、徐々にプログラムの意義が理解され、活動が様々な賞を受賞することにより知名度もあがり、少しずつ少しずつホタル館とホタルの会の存在意義が認められてきているようです。

努力の甲斐があって、ラムサール条約に登録された湿地を水源としているホタル館の敷地内を流れる川には、一時は消えかけていたクメジマボタルが戻ってきました。
様々な生き物たちも生態系を取り戻し、私たちが訪問した日はウナギも見ることができました。

また、生態系の保護はホタルだけのためではありません。
ホタルの会が取り組んでいる、島の赤土流出による島の生き物の生態系破壊に関する運動は、ホタルの生息のためだけでなく、結果として島周辺のサンゴ礁を守ることにもつながります。

日々の生活が大事なのか。将来のための自然保護が大事なのか。

久米島のトータル的な自然保護のためのホタルの会の活動を応援するために、もっと世界に発信していきたいと思います。

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久米島には「ヤジャーガマ」と呼ばれる洞窟があります。

階段を下りて行くと、入り口にはお供えがしてあり、そこが神聖な場所であることをうかがい知ることができます。
急勾配の入り口から中をのぞくと、かなり深い洞窟だということがわかりました。何の準備もしてこなかった私たちは、残念ながらとても中に入れそうにはありませんでした。

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と、その時ハブ除けのために誰かが足を踏み鳴らしながら階段を降りてくる足音が聞こえて、そちらを見ると年配の男性が。
「洞窟見学?」一瞬、立ち入り禁止区域に足を踏み入れてしまって怒られるのかな?と緊張していると、男性は、自分は「久米仙人」だと言うではありませんか。
「?」と思いつつ男性が指さす杖を見ると、確かに「久米仙人」と書いてあるのですが・・・。

まあ、それはさておき、その男性が洞窟を案内してくれるというのですが、同行者はあまり気乗りしない様子。それでも私たちは行くことに決めました。すると驚いたことにその「仙人」は、人数分の懐中電灯を次々に貸してくれ、道案内をしてくれたのです。


鍾乳洞の中は、きれいに通路が整備されているので足元は危なくないものの、鍾乳石が低くまで垂れ下がっていたり、下から伸びていtたりすることもあります。また、環境保全のために中は本当に真っ暗で、灯りに照らされていないところから突然コウモリが現れたりします。

しかも洞窟なので足音は響くし、天井から水滴は落ちてくるし、そういうことが耐えられない方にはおススメしませんが、まさに「本物」の洞窟です。
ちなみに私はそういう場所でも全然平気で、子供も「もっと行きたかった~。」というタイプなので、参考になるかどうかわかりませんが、非常に興味深い場所です。

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「仙人」の言う通り、天井のある部分に光を当てるとキラキラと輝いています。砂金のように見えるその光は金でも鉱石などでもなく、光を反射した細かい水滴らしいのですが、場所によっては金色や銀色に光るその様子は宇宙にいるような錯覚にさせてくれます。
また、非常に変化に富んだ鍾乳石がそここにあるため、本当に宇宙を探検しているような、見知らぬ惑星に来たような感覚でした。

場所によってはフランスのラスコーの洞窟を彷彿とさせるような場所もあり、なんだか自分が今どこにいるのかよくわからなくなってしまいました。

残念ながら、時間の都合で洞窟の奥までは行けなかったのですが、ひんやりした地底の宇宙旅行は異次元空間への旅の様でした。

洞窟の外に出て、外はまだ明るく日差しも強く、風の音や鳥の声など様々な音が聞こえてくることが不思議な気もしました。

帰り道、ふと、どうしてあの人は私たちがやって来たとわかったのだろう?と不思議に思いました。来た時も帰る時も、駐車場にはほかに車など止まっていなかったのです。

まさか、本当にあの人は仙人だったのでしょうか......?

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久米島には、ウミガメ館と呼ばれる、ウミガメの保護を目的とした施設があります。
アオウミガメをはじめとし、アカウミガメ、タイマイの3種の年齢の違う個体が飼育されていて、泳ぐ姿を見ることができます。

今日は、そのウミガメ館でスタッフの方から伺った、ウミガメに関するお話について綴りたいと思います。

ウミガメとのふれあい体験
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ここの施設では、久米島周辺の貝の展示もあり、ほとんどは実際に触れることができます。
また、普段は実際に触れるできることのできないカメも、ゴールデンウイークや夏休みには「エサやり体験」ができます。
自然界では餌付けできないカメたちにエサをやることができるのは、ここのカメは飼育されていて、自然界に戻されることはないからです。
時期でない今は本来ならできないのですが、今回は特別に「エサやり体験」をさせていただきました。
ウミガメの中でも一番大きなアオウミガメの親子が一番人に慣れていて、一番にやって来ました。
間近で見ると、その大きさに圧倒されます。
浦島太郎を竜宮城に連れて行ったカメは、こんなだったのかな?と想像してしまいました。

食料としてのウミガメ
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身体の大きさと、ウミガメの仲間では唯一幼少期を除き草食なためその肉の味から、大航海時代から便利な保存食として食べられてきました。
ウミガメは生きた状態でも背を下にして転がしておけば逃げられないので、新鮮な状態で肉を手に入れることができるため、重宝されていたようです。
久米島でも他の島と同じように、人々にとっては長い間重要なタンパク源でした。

そのウミガメが日本に限らず乱獲と産卵場所の減少から、近年個体数が激減しています。

大型クルーズ船が寄港するため、2020年までにクルーズ旅客が500万人訪れる計画をしているというニュースが流れた奄美大島も、ウミガメの産卵場所となっている島です。
小さな島にそれだけの観光客が押し寄せたら、自然環境の破壊は免れられません。
手遅れにならないうちに、住民だけでなくもっと大勢に周知しなければ、一度失われてしまったらもう取り返しがつかないのです。

リサの一生
ウミガメ館で見られるビデオに、「リサ」というウミガメがでてきます。
浜辺に母ガメが産み付けた卵の中からリサとその兄弟たちが生まれ、海で育っていくのですが、クラゲと間違えて飲みこんだ大量のビニールやプラスチックが原因で、リサは死んでしまいます。
地元の小学生が環境学習の一環としても使われているこのビデオは、子供のみならず大人にも環境問題のメッセージを投げかけます。
日本では捕食の問題はなくなりましたが、まだまだ護岸工事やテトラポット、ビニールやプラスチックゴミ、漁網などの放置、いずれもウミガメにとっては生死にかかわる問題が山積みです。

ゴミとウミガメの将来
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ウミガメの保護は、環境保護からということを学んだ子供たちは、家庭でも環境問題について家族と語り合うでしょう。そして、久米島の環境保護だけでなく地球レベルでの環境問題に取り組めるような大人になってほしいというのが、ウミガメ館のスタッフたちの願いです。
久米島の浜辺に打ち上げられるゴミの数は、みなさんの想像を絶する量です。プラスチック類だけでなく、注射器や酢酸、硫酸など、漂着物には危険物が多いため、子供たちはゴミ拾いに参加することすらできません。
久米島にこれからもずっとウミガメたちが戻って来られるようにするには、私たちみんなが何かしなければ・・・。
空を羽ばたくように水中を泳ぐウミガメたちを見ながら、そう思いました。


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Amaryllis
みなさんは沖縄の離島、久米島をご存知ですか?
沖縄本島から約30分のフライトで着きます。
離島と言えば宮古島や石垣島が有名ですが、久米島はあまり知られていないかもしれません。

あまり観光地化されていない分、地元の人々の生活を垣間見ることができます。また、島の広さも小さめなので、島全体を観光することも簡単です。

観光を目的としてリゾートを期待していると、少し物足りないかもしれませんが、あまり開発されていない分、穴場スポットがあるのも事実です。

今回は久米島で出会った人々との話から、色々と思うことを綴ってみたいと思います。


公園での出会い

観光初日、子供を遊ばせるために港近くのふれあい公園にいました。アメリカ人の家族連れのグループが去り、地元の子供達が犬を連れたおばあちゃんと一緒にやってきました。

世界中を旅することが好きで異文化が大好きというその方は、今は仕事をリタイヤして、世界の色々な人や国に興味があるとのことで、ヨーロッパ生活の長い私に興味を持っていただいたようで、色々と質問を受け、また、私も色々とお話を聞くことができました。

子供同士はなんとなく気恥ずかしいのか、一緒には遊びませんでしたが、犬を介して色々と話をするうちに、ちょっと遊びに来ないかとのお誘いを受け、お邪魔することになりました。

初めて島の暮らしを垣間見る
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ご自宅にお邪魔して採れたてのパパイヤをご馳走になりながら、お庭を見せて頂きました。
南国の植物やトロピカルフルーツが生えている横に生えている桜の木は、なんだか不思議でした。
パパイヤや果物の話をするうち、農園を見せてくださることに。
なんと、パパイヤは趣味で植えているだけで、ご家族の本業はマンゴーの生産でした。
広い農地には、マンゴー以外にもパパイヤをはじめ、「パイン」と呼ばれるパイナップルやバナナやアボガドなどが植えてあり、そのほかにも色々と貴重なものを見せて頂くことができました。

島の歴史と農業

その方の義理のお父様は、島に初めて「パイン」をもたらし広めた方でした。当時は缶詰工場もあり、島のパインの生産高ピークを迎えました。ところが、輸入の自由化と共に、海外のパイナップルに価格で太刀打ちできなくなった久米島のパインは急激に廃れ、工場も閉鎖され、地元の消費のみとなってしまいました。
現在、島の店先に地元産のパインは見当たりません。どれも輸入物ばかりです。自宅で取れるパインは、自宅用もしくは個人の贈答品としての消費のためがほとんどです。島に唯一あるパイン園のみが細々と続けているだけとなってしまいました。

近年の他県のパイナップル栽培の成功談も、島の人たちにとってはあまり聞きたくない話であって、自分たちのパインは味ではどこにも負けないという自負は今でもあるようです。

お化け坂
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さて、久米島では「お化け坂」という不思議な場所があります。お化けが出る坂という意味ではないのですが、不思議な場所で、上っているのか下っているのか目の錯覚でわからない場所です。
前述の方がお孫さんと一緒に案内してくださるというので、一緒に行ってみると、果たして意見は分かれました。
置いてあるボールを転がして確かめることができますので、もしも行かれることがあったら、是非試してみてくださいね。

「お手手つないで」の歌をうたいながら、手をつないでみんなでお化け坂を下りながら「この歌をまたどこかで聞いたら、久米島のおばあちゃんのことを思い出しね。」と言われ、なんだか本当の家族のような気がしました。

そのお化け坂で、お別れをしたのですが、子供達も名残惜しそうにずっと手を振って、見えなくなるまでずっと見送りました。

お化け坂って、ひょっとして、いないはずの人、お化けに会える場所なのではないでしょうか。

いないはずの家族に会えた。なんだか、そんな気がしました。

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この記事を書いているのは、日本のとある街の駅前ターミナルのホテルの一室なのですが、その真下で昨日、パトカーが5台、覆面パトカーが3台も出動する事態が発生しました。
「緊急車両が通過します!」と緊迫した様子で進路を確保しつつ、パトカーが次から次へと到着する事態は、ただ事ではない雰囲気が。
ちょっとドラマか映画の一コマのようでした。

と、書くと、いったい何事が起きたのか?と構えてしまうかもしれません。

実際は、どうも駐車違反と改造車で職務質問を受けた若者が逃走したようでした。

抵抗したのか、またそうだとしたらどういう経緯で逃走したのか、高層階にいる私からは知る由もありません。
しかし、おそらく火器を持っていないであろう人間一人をつかまえるために、次々とパトカーが出動し、大勢の警官が走っていく様は、ヨーロッパのテロリストや武装した犯人に対抗する警官たちと比べ、あまりの落差に滑稽でさえありました。

真面目に職務を遂行する警官に対して、「滑稽」などと言うことは不謹慎なことはわかっています。ただ、日本の「緊急事態」がヨーロッパとあまりに違うことは、新鮮に驚きでした。

空港や駅でベンチに荷物が置きっぱなしになっていたり、スーツケースが置きざりにしてあったりするといつも心配してしまいます。
これがヨーロッパだったら、すぐに盗まれるか、不審な荷物が置いてあるということで、セキュリティーの人や警官が来たり、ひょっとすると爆破処理されたりしてしまうかもしれません。

日本人が「普通」と思うことも、海外では全く「普通」ではないし、また、逆もしかりです。

「安全な国」日本で暮らしていると、世界がどれほど「危険」なのかが見えてきません。

日本に外国人がたくさん訪れるようになった昨今、日本の警察は「世界レベル」の犯罪に対処できる準備をしているのでしょうか?

ちょっと気になった昨日の出来事でした。

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パリのノートルダム寺院が火災にあい、シンボルだった尖塔と屋根が焼け落ちてしまったというニュースをいたたまれない思いで見ました。
みなさんもさぞ驚かれたことでしょう。

私にとっては、あまりに身近な存在であったノートルダム寺院がこのような姿になってしまったことは、実家が火事にあってしまったぐらいショッキングな出来事でした。

パリに引っ越したばかりでハードな日々を送っていた私に、憩いの場を与えてくれたのは、正にこの場所。30分もないわずかな休憩時間に、気分転換にノートルダムの横や裏手の公園で、灰色に垂れこめた雲の下、味気ないサンドイッチを食べながら、いつもエネルギーをもらっていました。


荘厳で華やかな正面玄関と違い、観光客も少ない反対側は、ほとんど地元の人しか来ない場所で、同じように一人でさっさとお昼ご飯を食べる人たちと共に、しばしの休憩をとった場所。
それがもうないということは、自分の戻る場所がなくなってしまったような・・・。

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なんだか自分の一部がなくなってしまったような、そんな気持ちです。

人ではないので、本当はおかしいのですが、「ご冥福をお祈りいたします」という言葉がしっくりくるのです。
思い出を心にとどめて、静かにノートルダム寺院に思いをはせたいと思います。

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桜の国日本。日本人なら誰しもこの時期に思い入れがあることでしょう。

とはいえ、満開の時期に桜を愛でることができるのは、決して当たり前のことではありません。

今回日本で満開の桜を見ながら、ふと、以前日本で通勤中に電車から見える満開の桜に、車内の人たちが一斉に反応したことを思い出しました。

感情をストレートに表現するヨーロッパの人々と比べ、日本人が、しかも通勤電車内というとてもリラックスできる状況ではない時に、非常に控えめながらも感嘆の声を漏らすという状況は、その時が最初で最後だったかもしれません。

それほど、桜には何か特別なものがあるのかもしれません。

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ヨーロッパの人は桜を見ても、「きれいだな」ぐらいで、日本人のようにわざわざ花見をしたりすることは非常にまれです。
また、散歩コースに取り入れたり、ちょっと遠回りをして見に行くことはあったとしても、桜を見るだけのためにわざわざ出かけたりすることはまずあり得ません。

桜の色も濃いピンクが主流で、八重咲の華やかなものが好まれます。濃い水色の空に濃いピンクのコントラストは非常に美しいのですが、日本の桜のイメージとは全く異なります。

ソメイヨシノに代表される日本の桜は薄いピンクではかないイメージです。また、空の色もなんとなくぼんやり春霞のような淡い水色で、ふたつの色が混ざり合うような感じがします。
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コントラストというよりフィルターがかかったような、そんな空と桜を温泉につかりながらぼんやりと眺め、あらためて日本人であることを実感しました。

桜の時期になると、自分の中の「日本人」を実感します。これから何十年ヨーロッパに住もうとも、これだけはきっと変わることはないのでしょう。

みなさんの中の「日本人」は、いったいどんなことをしている時なのでしょう?また、メッセージいただければ幸いです。

それぞれのアイデンティティー、大切にしたいですね。

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