久米島には、天然記念物に指定されている「クメジマボタル」という固有種のホタルがいます。
水の清らかな久米島は、クメジマボタル以外にも複数の種のホタルが生息し、島内のあちこちで見かけることができます。
今日は、そのホタルを守るために作られた「久米島ホタル館」とそこでうかがった話について書きたいと思います。
久米島ホタル館
このホタル館は、久米島のホタルの保護観察施設として、2000年に専門家を招いて開設されました。
当初はホタルを守るために作られたこの施設は、現在島のトータル的な自然保護とその学習のための「ネイチャービジターセンター」としても活用されています。
お年寄りたちから昔のホタル採りの話を聞く場を作ったり、ホタルに関するすべての生態系の動物たちの展示があったり、子供達が自然についてトータル的に学べるような工夫がされています。
また、敷地内には自然の川の流れを少し変えたビオトープがあり、様々な生き物たちの生態系が見られるようになっています。
クメジマボタル
4月から飛び始めるクメジマボタルは島内のホタルの中では一番手です。寿命は短く、成虫は1~2週間ほどしか生きられません。
クメジマボタルの特徴は、集団同時明滅と呼ばれる一斉に光りながら行動することにあります。
ホタルの見学は、ガイド付きツアーがおススメです。
というのも、ホタルが出てくる時期は、島のハブが活発に活動する時期でもあり、夜行性のハブはまさにホタルの活動の時間帯とピッタリ重なるのです。
不用意にサトウキビ畑や湿地に足を踏み入れることは避けたほうがよいでしょう。
環境学習プログラム
実は、ホタルの会の事務局長さんにうかがったお話では、地元の人たちの中には、かなりこのホタル館の建設と活動に反対された方もいたようです。
また、ビオトープの生態系が確定するまでの間、大量の蚊が発生したりして地元の人々から閉館に追い込まれそうになったこともあったとか。
それでも、地道な活動と子供たちへの教育プログラムの成功により、徐々にプログラムの意義が理解され、活動が様々な賞を受賞することにより知名度もあがり、少しずつ少しずつホタル館とホタルの会の存在意義が認められてきているようです。
努力の甲斐があって、ラムサール条約に登録された湿地を水源としているホタル館の敷地内を流れる川には、一時は消えかけていたクメジマボタルが戻ってきました。
様々な生き物たちも生態系を取り戻し、私たちが訪問した日はウナギも見ることができました。
また、生態系の保護はホタルだけのためではありません。
ホタルの会が取り組んでいる、島の赤土流出による島の生き物の生態系破壊に関する運動は、ホタルの生息のためだけでなく、結果として島周辺のサンゴ礁を守ることにもつながります。
日々の生活が大事なのか。将来のための自然保護が大事なのか。
久米島のトータル的な自然保護のためのホタルの会の活動を応援するために、もっと世界に発信していきたいと思います。
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