みなさんは本を読むときどうしますか?
普通買うか借りるかのどちらかですよね?

でも、ドイツにはもう一つの選択肢があります。

今日は、モノを大切にするドイツ人ならではのちょっと変わった本の手に入れ方をご紹介します。

ドイツ人と書店
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ドイツにはあちこちに書店があります。
大型のチェーン店の書店は街の中心部には必ず何件かありますし、駅前には町の小さな書店も。古本店もあちらこちらにあり、人々の生活に根付いているように思います。

電子書籍がこれだけ普及していても、本屋さんはなくなりません。

クリスマスシーズンには、カードや包装紙などのギフトを買い求める人と、プレゼント用の本を買いに来る人でどこの書店も大混雑。
最近は店内のカフェでゆっくりとしたり、ソファーで立ち読みならぬ座り読みができる書店も。
売店では雑誌が売っていたり、街角には新聞の自動販売機も。

ネット社会になった現在も、ドイツ人は紙媒体がお好きなようです。


図書館で借りる
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堅実なドイツ人は図書館好き。一度読むだけでいいものなら買うのではなく図書館で借ります。子供たちも小さい時から図書館を利用しているので、一度ついた習慣はなかなか変わらない様で、大人になっても図書館を利用するようです。

ちなみに、ドイツでは返却期日を過ぎても本を返さなかった場合、延滞料金がかかります。公共の物なので、紛失や破損で返せない場合も罰金です。

日本も見習うべきだと思うのですが、反対意見が多いのでしょうか。


もうひとつの方法
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さて、ドイツ独自のもう一つの方法とは一体何でしょう?
街中や、お店の前、時には道端のベンチに「みんなのための本棚」が置いてあります。ここに置かれている本は持ち帰ってもいいし、読み終わればまた戻しておく人もいれば、誰かに渡す人もいるようです。また、自分が不要になった本を持ってきてこの棚に入れておけば、別の人が読めるという本棚です。

また、ある時は、電車の中で本を置いて行った人に「忘れてますよ!」と声をかけた人がいました。置いて行った本人が「もしよかったらどうぞ。」と言うと、声をかけた人は「ありがとう!」ともらっていきました。

このような声かけは、電車の待ち時間や、公園でも見かけました。ドイツではどうやらよくあることのようです。

また、新聞を電車内で読み終わったら、わざと座席や網棚において、次に読みたい人が読めるようにすることも。


資源を有効に
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紙媒体はどうしても読み終わったらゴミになってしまいます。だからと言って、全く読まないというわけにもいかないでしょう。

それなら、ドイツのように一度きりで捨ててしまうのではなく、同じ本や新聞を何度も読んでから捨てるほうがよいと思いませんか?

日本だと図書館の本や古本に抵抗があったりする人も多いようですし、電車内の網棚や座席に置き去りにされている物を読むのは、恥ずかしいと思うかもしれません。

それでも、二つのエコのため、(エコロジック)環境にやさしくて、(エコノミック)経済的な生活のためだと思えば、日本でもできると思うのですがどうなんでしょうか。

ドイツでは、書籍の再利用が徹底されているため、学校の教科書も貸与式です。毎年子供たちは学校から貸与される教科書にカバーをかけ、自分の教科書として使い、使い終わったらまた学校に返却します。

教育の場である学校は、使ったものを捨てずに他の人へと託す教育の場になっています。

そしてこの「読み終わった本は次の人へ」の習慣は、ドイツ人に脈々と受け継がれていくのです。