日本でなぜか突然政府が、子連れ出勤を推奨するという、政策を打ち出しましたね。

今まで、ちょっと、日本では考えられないなー、と常々思っていたので、今日は、ヨーロッパで私の見聞きしたことを、みなさんとシェアしたいと思います。


子連れ出勤は可能?
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日本で実施したアンケート調査によると、約8割の回答者は、子連れ出勤に反対のようです。回答者の6割は子育て世代。

仕事にならない、周りに迷惑がかかる、など理由は色々あるでしょうが、いくら推奨されても、保育園に預けられるなら、それに越したことはない、という回答が多いようです。

確かに、私も、もし自分の子供が職場にいたら、仕事にならないと思います。それに、通勤ラッシュをどうやって連れて行くのでしょうか?

ちなみにフランスでは、法律で子連れ出勤は禁止されています。もしも、職場で子供に何かあった場合、責任問題になるからです。

ある女性は、自分が働くために子供を預けなければならず、結果として、保育料を差し引くと、時給2ユーロ(1ユーロ約125円)ほどにしかならず、仕事をやめてしまおうか、と悩んでいる例もありました。

とはいえ、私がフランスで働いていた頃、産後の職場復帰直後に数回、乳児を連れて職場に来ていた同僚がいました。

何事も「自己責任」ということが原則のフランスですから、法律よりも、まわりに迷惑が掛からなければOK、という職場もあるということでしょうか。


子供を職場に連れて行ったら
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一方、ドイツでは、職種にもよりますが、街中でも「あれ?」と、思うようなところにも、子供がいます。おそらく、なんらかの事情で子供を預けることができず、やむを得ず、お父さん、お母さん、と一緒に職場について来ている子供たちでしょう。

どの子も、みんなおとなしくしていて、逆にこちらが感心するほどです。

まわりの人たちも、いやな顔をする人はいなくて、逆に子供に「えらいねぇ。」などと、にこにこと話しかけたりして、受け入れる雰囲気があります。

うちの子も、何度か短時間ながら、職場で過ごしたことがありますが、みんなに声をかけてもらえて、お菓子をもらったりと、ご満悦でした。

日本でも、現在でも、一部の職業の方は、子連れ出勤が可能だったり、やむを得ない事情の時、連れて行ったりしているようです。

でももし、日本でお店やレストランで、店員の横に子供がいたらどうでしょう?
私はちょっと想像できません。きっとクレームをつけるお客さんがでてくると思います。

あ、でも考えてみると、昔は個人商店では当たり前でしたよね。いつの間に、日本は変わってしまったんでしょう?

昨年、女性の議員の方が、子連れで登庁して話題になりましたね。今後、はたして、日本で仮に、子連れ出勤が合法化され推奨されたとして、将来的に、接客業も含め、子連れ出勤ができる社会になるでしょうか?


子連れで思うこと
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ヨーロッパから、日本に子連れで一時帰国をして、いつも感じることは、子連れは肩身が狭いということです。

空港の搭乗ゲートでの優先搭乗も、ヨーロッパ各国と比べると、イマイチ優先ではないし、空港によっては、まったく考慮されていないことも。公共交通機関を使うときは、いつも非常に気を使います。

外での食事も、子連れだと、個室のある所をできる限り選んだり、とにかく「周りに迷惑をかけない」ことが求められるので、外出に消極的になってしまいます。

もちろん、「周りに迷惑をかけない」と子供に教えることは大切です。でも、子供に大人と同じレベルを期待するのは、少し無理があると思います。

特に、国によっての基準が違うので、うちの子には、かなりハードルは高いです。

子育てに関しては、ここで書くと長くなりそうなので、回を改めて、また書きたいと思います。

日本で期待されるレベルと、ヨーロッパと比べ、醸しだされるあまり友好的ではない雰囲気に、子供はもちろん、親も「無理!」と感じてしまうことは否めません。

仕事に連れて行く、行かないを議論する以前に、日本の社会全体が、子供を受け入れられる社会になるようにバックアップすることのほうが、先決ではないでしょうか。

職場に子供を連れて行くためには、職場の人以外のいる場所を通らずに、通勤することはできないのですから。

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大人たちから「受け入れられている」と感じることのできる環境で育った子供は、精神的に安定した人間になるとか。

少子化を含め、日本の将来を本気で考えるなら、子供がのびのびと安心して暮らせて、色々な形で子供を預けて働くことが選択肢として当たり前になる、男だから、女だから、という差別のない社会を作るようにすることが、今後の最大の課題なのではと思います。

小さい時から、働く親の背中をみて育った子供は、将来自分が親になった時も、自然に、同じようにするのではないでしょうか。

そうして、社会は成熟していくのではないでしょうか。

ヨーロッパの、働くパパやママを見て、私はそう感じました。


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