みなさん、明けましておめでとうございます。

それぞれによいお正月を迎えられたことと思います。

お礼参りや除夜の鐘、初詣、初日の出、普段会えない家族とお節料理やごちそうを食べたり、友人と会ったり、という日本のお正月が懐かしいです。

私も、花火の音と光に囲まれ、おかげさまで無事に新年を迎えることができました。

今年も「ヨーロッパで暮らす」、がんばって更新していきますので、どうぞお付き合いお願いします。

さて、今日は、日本ではあまり知られていない、新年のヨーロッパの行事をお伝えしたいと思います。


エピファニー(公現祭)って何?

camels-897658_1280

みなさんは、公現祭を知っていますか?

英語で「Epiphany(エピファニー)」と呼ばれる公現祭は、東方三賢者(東方三博士ともいう)の訪問を受けた、幼子メシア(キリストのこと)を称えるための、キリスト教のお祭りです。

公現祭は1月6日に祝われるのですが、その日は現在は祝日ではありません。

もともと「エピファニー」は「光の祭典」として、キリスト教徒にとっては「異教徒」たちのクリスマスに当たるものの、12日周期の1サイクルとして始まったと言われています。

日本人にはピンとこないかもしれませんが、この「12」という数字は、キリスト教だけでなく、様々な宗教で特別な数字とされていています。

みなさんもイエスの弟子たちが12人だったと言われていることはご存知でしょう。

他にも例をあげれば「ギリシャ神話のオリンポス12神」や、「イスラエルの部族」などがあります。

そのほかにも「12時間」「12か月」など「12」を使ったものは、実は私たちの身近にたくさんあるのです。

12月22日は冬至の日。

この日は一年で一番日の短い日、夜の一番長い日でもあります。

つまり、この日を境に「昼が長くなっていく」、「再生への始まり」、「すべての起源」、という意味です。

そして、その日から12日後が1月6日というわけです。

その日にお祝いをする時に食べるものが、太陽を象徴するもの、というわけです。

今回は、宗教的観点からではなく、伝統行事として、一般の人にとってのエピファニーのお祝いについて書いてみたいと思います。


ガレット・デ・ロワ

galette-des-rois-595465_1280
フランスやベルギーではお正月が明けると、パン屋さんやお菓子屋さんにはガレット・デ・ロワ(galette des rois)がウインドウやショーケースに並びます。

多くは上に紙製の冠が。一体何に使うのでしょう?

大きなパイ生地(地方によって違う場合もあるようです)の中身はアーモンドプードルのペースト。

その中にはフェーヴ(そら豆)と呼ばれる、陶器で作った小さな人形が入っています。


昔は、本物のそら豆が入っていたようですが、今では色々な形の人形です。

最近では、スーパーなどで売っている物の中には、プラスチック製フェーブもあるようです。

中には、色々なフェーブをコレクションしている人も。

以前は、家族が一堂に会し公現祭の食事をするときに、ガレットを人数分より一つ多く切り分け、フェーブが当たった人は一年中幸せになれる、という伝統行事でした。

今では、目隠しをした人が、ガレットを切る人を指名し、人数分に切り分けます。

フェーブが当たった人が、女性なら王様を、男性なら女王様を選ぶことができます。

そして、その一日は、前述の王冠をかぶり、女王様、王様となるのです。

こんな習慣を、子供たちが喜ぶことは想像に難くありません。

また、学校や家庭だけでなく、大人たちも職場や友人たちと、ガレット・デ・ロワを、季節の風物詩として食べます。

ひそかに憧れていた女の子をお妃に選ぶ男の子や、冠をかぶって仕事をする姿を、微笑ましく思ってしまうのは私だけでしょうか。

太陽型の、神様たちのごちそう、ガレット・デ・ロワは、最近は日本でも買えるところもあるようですが、1月にフランスやベルギーに行ったら、是非一度は本場の味を試してみてください。

ただ、もちろん日本のものより甘いことは、覚悟して食べてくださいね。


その他の地域
dom-1726453_1280

地中海沿岸地域では、ブリオッシュ生地の王冠型のお菓子を食べるようです。

国や地域によって、デコレーションや形にバリエーションがあるようですが、起源や王冠型という特徴は共通なようです。

また、この地域の国では、幼子イエスに贈り物を持ってきた、東方三賢者になぞらえ、クリスマスのプレゼントをこの日(1月日)に渡す習慣があるようです。

例えば、スペインでは子供たちがクリスマスプレゼントをもらうのは、サンタクロースからではなく、東方三賢者からです。

そういえば、私もスペイン人の友人からは、確かに、年明けにクリスマスプレゼントをもらいました。

フランス北部フランドル地方からベルギー・オランダでは、東方三賢者に扮した子供たちの行列がある地域も。「ケルンの三賢者」とも呼ばれています。

そのため、ドイツのケルン大聖堂内には、東方三賢者のものとされる黄金の棺が飾られています。

もし、ケルンに行く機会があったら、是非見に行ってみてください。


ひょっとすると、他にも私の知らないエピファニーの習慣や食べ物があるかもしれません。

起源についても諸説があるかもしれません。

他にも、こんなのあるよ、というエピファニーのエピソードがあったら、是非教えてくださいね。


どうぞ、今年もよろしくお願いします。


ランキング参加してます。応援お願いします。
にほんブログ村
 
ヨーロッパ(海外生活・情報)ランキング